目次
《スライス》の特徴
スライスはドライブと違い、高く跳ねるのではなく、引く滑るのが特徴。
主な使い道は『ラリーのペースを落としたい』と感じた時。
スライスはドライブに比べてスピードが遅い球種である。
加えて、相手の打点を低くする事が出来るので攻めるペースを振り出しに戻すことが出来る。
これは攻撃にも使える。
打点が低いということは、必然的に球を持ち上げなくてはならない。
アプローチで使うことで、相手の打てるコースを限定する事が出来る。
《スライス》の強み
■《スライス》のバリエーション
- 伸びる
- 止まる
- 曲がる
- 深い
- 浅い
代表的なのは、この5つである。
同じフォームから、この5つを使い分ける事が出来たら相手もコースや球種を読みにくくなる。
先に仕掛ける事が出来れば試合を優位に運べるだろう。
守りに使えば自分の体勢を立て直すことが出来る。
そうすれば、相手にとって優位な状況をリセット出来る。
《スライス》の弱み
スライスのフォームは《強み》であり《弱点》。
同じフォームとはいえ、使う場面によっては
そう思われて《1発KO》される可能性が高い。
特に、やっとこさ返球したボールはスピードが遅くキレもない。
返球率が高いが、チャンスになる可能性もかなり高い。
ダブルスだとポーチに出られる可能性が大きい。
出来れば、《スライス》の強みのみを引き出して使いたいものだ。
攻めと守りの《スライス》について
今の時代、ラケットの進化に伴って《高弾道スピン》が主体のプレースタイルが急増している。
ただ打ち合っているだけでは、力量さで押し切られてしまうのは必然。
そのため《スライス》を基盤とした戦術が必要となってくる。
ラケットが進化したとはいえ、低い打点から《高弾道スピン》を打つことは難しい。
相手のパワーショットを封じるという点でも《スライス》を交えた戦術が必要となってくる。
攻めのスライス
スライスは《守り》というイメージが強いが、実は《先手必勝》という言葉が似合う球種である。
■先手:展開の主導権を握れる
■後手:相手に主導権を握られる
先にスライスを使うことで、相手にスライスを強要できる。
もし、打ってきたとしても大した威力の球にはならない。
もしも、後に打っていたら逆の立場になる。
攻めるために使うのであれば、先に使うのが理想といえる。
守りのスライス
《スライス》の滞空時間は全球種の中で1番と言える。
自分が左右に振られたり、バランスを崩した場合は一旦リセットするのが理想的。
その手段として《スライスロブ》を使う。
自分の体勢・立ち位置を万全な状態に出来れば、ピンチを回避出来る。
逆に、体力・メンタル的に限界になって《スーパーショット》を狙いに行くと決められる確率が高くなる。
気持ちの面で焦らないためにも《スライスロブ》は最大の守備球と言える。
《スライス》を使った戦術について
先に書いた《スライスのバリエーション》にはそれぞれ違った強みがある。
■《スライス》のバリエーションと強み
滑る | 相手の打点を低くする |
止まる | 相手の力のみで打たせる |
曲がる | 相手の打点を狂わせる |
深い | 体重移動を難儀にする |
浅い | 2バウンド目が早くなる |
この特徴を活かして様々な戦術を考察していきます。
※この記事での組み合わせは《決める》ではなく、《チャンスを作る》を目的とした戦術の考察です。
《スライス》でコースを限定する
■滑る:振り遅れる可能性があるため《クロス》の可能性が低い。
■止まる:使う場面によっては《オーバーパワー(OUT)》を誘発できる。
■曲がる:相手の打点が遠くor近くになる。相手を1歩でも多く動かすことができる。あわよくば、コートの外に追い出すことも可能。
■深い:差し込まれた状態で打つため、軌道の高い球になる可能性が高い。
■浅い:返球までに余裕が無いため、当てるだけの返球かドロップの可能性が高い。
それぞれ有効な使い方を理解すれば戦術の幅もぐ〜んと上がる。
《スライス》の有効な使い方
滑ると深い《スライス》はアプローチに向いている。
それ以外はラリーのペースを握る効果がある。
■ラリーのペースを握る《スライス》をアプローチで使った場合は、《カウンター》をされて逆に攻撃される可能性が高い。
■曲がるや止まるなどの《スライス》は《カウンター》されても《カウンター返し》が可能なベースラインで使うのが最も効果的である。
■曲げる事で、オープンコートを作ったり・詰まらせてバランスを崩す事が出来れば、自分のペースでプレーすることができる。
■止まるスライスは100%相手の力のみになるので、こちらの球の球威を活かす事ができない。
そのため打たれても決定打にはなりにくい。
これはスライスのシコラーが使う戦術の1つでもある。
■滑る深いスライスはアプローチとしてだけではなく、ベースラインからでも力を発揮する。
相手の球威を利用する事も出来るため、楽に質のいいスライスを打てる。
あわよくば、アプローチのチャンスも作ることが出来る。
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